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*船上にて

 十一月十一日、私は再び四国へ向かった。八十八の霊場を巡る旅の続きだ。東京・台場から愛車のパジェロと共に船に乗り込む。船旅は二度目だが、一人旅での船は初めてだ。船室に荷物を置くと、私は甲板に出てみた。船はまだ停泊中だが、風が強い。台場の観覧車がライトアップされていて、それが夜空に映える。気が付くと、ゆっくりと、ゆっくりと船は動き始めていた。

 
夜風が心地良く私を迎えてくれる
薄闇の空間に船は動き始め
ほのかに輝く街の灯と星空のなかを
高知へ向かう
波間に漂う船の灯に
カモメが遊んでいる
 
光にくすぐられながら
穏やかな海上を行く


その上には大きな屋根のように
薄く雲が広がっている
私は海の真ん中にいる
生命の始まりの海に
そしてここは私の旅の始まり
 
潮風と白い波しぶきが
ここにある すべて
陸地は見えない
遙か水平線の向こうに潜り込んでしまった
水があるばかり
ただ水が続いている どこまでも
そのなかで 世界の大きさと
 私の小ささを
再認識してしまう

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