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*ひとつひとつ

 四国から大阪、京都を経て静岡に到着した頃、もう陽が落ちかけていた。私は焼津に宿を取り、陽が沈むまでの少しの間、海岸線を歩いた。うみねこが騒がしい。ふと海を見ると、湾の向こうに富士が見えた。ほんのり陽に紅く染まり、港町の屋根のように佇んでいるその姿を、私はいつまでも見つめていた。

 
波の音は 繰り返す
そんなにも 繰り返す
いつまでも ずっと
僕たちが生まれるずっと前から
波の音は 繰り返していて
(使い古された言い方だけど)
僕たちの今 立っている大地だって
ほんとは海のなかにあって
好奇心あふれるいくつかの子供たちが
ちらっと首を出したのが始まり
右に見える絶壁だってそう
波の泡から生まれたんだ
美の女神と一緒に


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