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*追憶に浸る間もなく

昼過ぎに僕は目が覚めた
年末だミレニアムだと世間は騒がしい
僕にはそんなこと関係ない一日は一日だし一年は一年で
千年はその千倍であるだけでこうしている間にも時間は
過ぎていくただだらだらととめどなく流れていく気違い
みたいに
腹が減ったから何か食べようと思い
冷蔵庫を覗いても玉子くらいしか見つからない
フライパンを火にかけて
玉子を二つ落としてふたをする
ラジオをつけるとニュースが流れてきた
フライパンに水を差してまたふたをする
二十世紀の百大ニュースの話をしている
アメリカ人によるランキングで上位二つが日本がらみだ
というのでもうすこし気を付けて聞くと広島と長崎への
原爆投下ともう一つは真珠湾攻撃による大戦勃発でその
次がアポロ月面着陸だということだ
フライパンのなかで水のはねる音がする
二つの目玉焼きがそこにある


そこにあってやがて僕の腹の中に収まっていく
終わりがあるから始まっていくのだ
そうして決まって始まりは
終わりを越えていく越えてしまう
のだとふと思った
 いただきます!
これから百年かけて玉子を消化していくのだ

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