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*トレス海峡 連詩

再び訪れた この場所に
私が刻んだ足跡と
そこから続く小さな歴史が
落ち葉のように堆積し
緩やかな時の流れを感じた
 
   *
 
海流に浮かぶ島々
人口三千の小さなこの島にも
私の記憶は眠っていた
 
   *
 
まどろみのなかにある木々たちが
あらゆるものを育んでいる
葉は腐葉土となり川に融け
やがて海へと帰っていく
壮大な回帰がそこにはある


 
   *
 
繰り返される日々は
単調のようで無駄がない
ここでは豪華に時間を捨てている
 
   *
 
過去の栄華を偲ばせる
先人たちの碑がここにある
誰に知られるわけでもなく
ただひっそりと静かに
森に横たわる
 
   *
 
水平線に沈む陽の
紅く輝く炎が
大洋を燃え上がらせる


 
   *
 
薪のはぜる音と火の粉が
星空に舞い上がっていく
潮騒と宴の共演が
心身を共に満たしていき
心地良く酔わせてくれる
 
   *
 
涼しげな木陰に
滑り込む潮風
覗き込む太陽
 
   *
 
目に映るものたちが
いつでもはしゃいでいる
砂や小石にも命が輝いている
ここには未だに
神が存在しているのだ
 
   *
 
在るものたちに
在らぬものが連なり
連想ゲームのように世界は広がっていく
 
   *
 
全てが自然のなかで行われている
この地では何もかもが
ひとつの目的となって動いている
生きることは遊ぶことだと
そう思わせる力がある




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