*あおぞら
桜咲く四月の暖かな青空に
ぼくはすっかり、見入ってしまった
そこにはただ、青く澄んだ空だけがあった
そのなかに、ぼくの享楽とあの娘の笑い声が溶けていく
まどろむ子猫の見ている夢
開きかけの新芽を抱えた樹木のささやかな歓声
真新しいオフホワイトのスプリングコート
つまみ食いしてきたボウルのなかの苺
河岸の着飾る新緑の衣
そんなにもいろいろなものが混ざり合って
青空に春の息吹を与えている
ぼんやり眺めているぼくの横顔に
風が草いきれを運んでくる
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